top of page
検索
  • 執筆者の写真wimp

イサムノグチとボルタンスキーと

更新日:2022年7月8日

現在、香川にオープンしたsyndicateというギャラリーで展示をしています。フォトグラファーの藤井さんとアーティストのnoisy_eyeさんが共同で運営されているギャラリーです。

展示についての詳細はこちらから。


その展示のオープニングに遊びに行くのも兼ねて、弾丸で香川に行ってきました。

以前岡山経由で瀬戸内までは行ったことがあるのですが、高松市内に上陸するのは初めて。

高松は私の地元の滋賀と違いめちゃくちゃ都会でした。アーケードとか京都少し雰囲気が似てるなと思いながら散策しました。

そして2日目、3日目にはイサムノグチ庭園美術館と豊島に

イサムノグチ庭園美術館は入場料2000円、要予約とハードルが高いのですが本当に見てよかったと思った。

なんとなくライトとかのイメージがあってこれまで作品をちゃんと見てこなかったんだなとしみじみ思ったのですが、作品のスケールのデカさに対しての佇まいの良さもありながら、ディティールも見れば見るほど面白かった。香川の山は基本ブレワイみたいな、岩みたいな山なのだけれどその景観ともめちゃくちゃマッチしてた。

アトリエとして蔵の外にさまざまな彫刻が置かれているのだけれど、作品なのかただ石を積んであるだけなのかわからないに小さな岩の集合体があったのだけれど、それがモランディの静物画みたいな印象を受けて楽しかった。(文章に起こすと、モランディめちゃくちゃ見たくなってきた。)

その日、謎のロープウェイ廃墟も見れてよかった。ちゃんとロープウェイを登り切ったら、ゲームセンターの廃墟もあるらしいので、また挑戦したい。

そして3日目豊島に行った。

とりあえず乗船場から一番近い、豊島横尾美術館へ。

横尾の絵の下手さというかなんというかクセみたいなのが、妙に自分の下手さに似ているので(おこがましい?)ちょっと胸がキュッとしながら作品を見ていた。

2回の屋根裏部屋にある、大仏CGみたいなやつとボタンがついた絵がよかった。


何も食べてないので、豊島横尾美術館の奥にあるてしまのまどに行った。

パプリカシチュープレートを頼んだのだけど、ひたすらに野菜がうまくて感動した。あと緑の葉っぱにかかってたオリーブオイルと塩かな?がうますぎて目が覚めた。

ご飯類、なんだかんだで、美味しい野菜に出会えた時に一番感動しているかもな。


腹ごしらえを済ませて家浦港前でバスに乗車。

家浦からの坂道はめちゃくちゃキツイと調べていたので、とりあえ唐櫃港までバスに乗った。途中の坂を見て、これは私電チャでも無理だったかもと自転車を漕いでいる人を車窓から眺めていた。

ただあとで調べてみたら、電動バイクがあるっぽいという感じだったのでこれが一番最適解かもしれないな〜とぼんやり考えています。


唐櫃港で電チャを借りて、豊島美術館に行こうと思っていたのだが、素敵なチャリ屋さんご夫妻が先にボルタンスキーみた方がルート的にいいよ!っと教えてくれたので、早速ボルタンスキーの心臓音のアーカイブを見に行った。

暗い部屋で、心臓の音を聞く、怖くてしんみりするかなと思ったけれど、どっちかっていうと「生!」って感じでハッピーだった。

アーカイブできいた「はななちゃん」1歳6ヶ月の赤ちゃんの鼓動が、めっちゃかっこいいビートでテンションが上がった。


豊島美術館の予約時間ギリギリになってしまったので、爆走(ここまでは上り坂)

作品説明では小さなお皿や球があって繊細なので気をつけてとのことだった。

確かに作品は繊細なのだけれど、一定の周期で床下から組み上がったくる水滴と自然の干渉など計算された設計は、綿密で理性的だった。床下の見えない、水を汲み上げる仕組みなどを想像すると荘厳さのある作品だなと感じた。


その後とりあえず戻るために自転車をこぐ。

途中で、そうだ、風鈴の作品もあったわっと看板を見て思い出した。

山の上そうで、その日は珍しく風も強く寒かったし、一瞬躊躇したけれど登ることにした。


結論から言うと、めちゃよかった。

一人で山道を歩いて、風鈴の音に囲まれたとき、7月の記事でボルタンスキーが死んだと言うことは記事で知っていたし、心臓の音アーカイブにも追悼の文章があった。

でも私は初めてここで、ボルタンスキーが死んだんだなと実感した。


本当に感傷的になってしまったので、少し泣いた。あの自分一人ぼっちと風鈴と風の音を思い出すと今でもちょこっと泣きそうになっている。

帰り道も全く同じなのに、自分が土を踏み締める音が行きの道とは違ってはっきりと聞こえた。大袈裟だなーと思うかもしれないけれど、本当にはっきり聞こえた。

それくらい心を敏感にしてくれる展示だった。


ここ最近本当にお金がなくて、生活みたいなことに必死でいよいよ疲れてきたし、作品作ってて大丈夫か?このまま生きていけんのか?という不安がずっと付き纏っていたけれど、これ見て何か解決されたわけではないが、とりあえずまだ作ろうと思えた。


アンケートで「ささやきの森」行かないって書いちゃってごめんなさい。行きました。


後から思えば、ボルタンスキーの作品が、NYのイサム・ノグチ美術館の庭園で公開されていてなんとなく導かれてたのかなと考えたりした。


昼ごはんを食べてなくて、帰り喫茶店でこれでいいんだよラーメンを食べようとした。(わんちゃん、喫茶店に猫ちゃんいないかなという下心もあった)

そこで人生1番くらいまずいラーメンを食べた。


高速艇で酔ってはいた。


満喫のコインランドリーでパンツと靴下の片方を忘れた。


そこらへんの畳み掛けが相変わらず自分っぽいなーと思ったのですが、いい旅でした。


終わり

閲覧数:62回0件のコメント

最新記事

すべて表示

帰省

bottom of page