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TPC BLENDERの日記

執筆者の写真: wimpwimp

展示までどんだけ余裕があっても、展示はぎりぎりになる。展示とはそういうものなのだと思う。(と思って、最近ケンジ君と喋っていたらちゃんと余裕を持っていた。これはただの自分の怠惰のせいかもしれない)


なにせ余裕があると、展示の企画をどうするか考える時間がある。というか最近の展示スパンめちゃくちゃ短く無いか?とも思う。作品を作って展示をするが、展示のために作品を作るという風に倒錯している。今は筋トレだと思うことにしているのだけれど、インスタントに別のことが試せる機会があってもいいんじゃないか。こういうのは陰でコツコツやった方がいいのかもしれないけれど、少なくとも横着な自分はそういうやるべきことが、後回しになってしまう。


そんな時パトナがやっぱ一応cookingなんだしそれにちなんだら?と言ってくれた。


そこでレシピの案が浮かんだ。

制作過程をレシピにする。


1人のレシピを色んな人にやらせてどんな作品ができるのかをやって見てもいいと思った。でも少しコンセプチュアルすぎるというか、TPCらしく無いと思った。


TPCはあくまでも作家がゆるくやってる遊びなので、作家に寄り添えるコンテンツがいい。


そこで企画書とか設計書ほどの細かいものではなく、レシピという曖昧な言葉を使ってみんなにレシピを書いてもらうことにした。参加してくれた作家さんも、交換することを前提にレシピを執筆しているのでそこらへん厳格な仕様書とは大分程が違う様になっている。


レシピを起こしてもらって面白いなと思うのは、鑑賞側からすると作品に必要でありそうな要素が意外とレシピには含まれていなかったり、マテリアルやメディアの重要度が作家によって違ったり。また逆説的に、他者のレシピを使って制作することで、より作家の固有性が立ち上がる結果になった気がしている。


これは自分自身が作家として痛感していることなのだが、例えば使用している素材がなんとなく大学の受験のころの素材を引きずっていたり、意外と必然性がない人って多いのではないだろうか?


決して私は作品作りに必然性が必要だとは思わないのだけれど(遠回りや不合理であるが故に良い作品もたくさんあるので)もしインプットが増えてもっと最適な何かと出会えたらそれは最高だと思う。


何か大体作品作りで上手くいったときは、頭の中で設計していたものが上手くアウトプットされた時よりも、バグって捻出された何かの方がいつもずっと満足している。


このレシピが少しでもそういったトリガーになればと願う。

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